【超高速】ドラムセッティング②応用編ライブ、スタジオで役立つ超高速ドラムセッティングのコツ
こんにちは!ミライミュージックスクール代表/ドラム講師のトッシーです。
高さ、横幅がそれぞれ1メートル、奥行き2メートルの、ドラムセットとスタンド類を収納可能な巨大なロッカーから毎日セッティングと解体を繰り返す学生時代を過ごし、セッティングの効率を知り尽くした私が、前回に引き続き今回はどうしたら速く、正確にドラムセッティングを完成できるかに焦点を当てて発信していきます!
1、そもそもなぜそんなに速く正確にセッティングをする必要があるのか!?
①ドラムはベストセッティングが人それぞれ
このブログをご覧になっている皆さんは多くがドラムを演奏している、した経験がある、若しくはこれからトライしようとしている方達が大半であると思います。家にフルセットのドラムを置いておくことができる人はとってもラッキーで、日本の住宅事情などから考えると多くのドラマーの皆さんは本物のドラムを練習しようと思うとスタジオに行くなり学校の練習室にいくなり、ドラムセットを大勢のドラマーがシェアする環境に赴くことになるでしょう。
また、家にドラムセットをセッティングし続けるセッティングを頻繁にいじる必要がない環境があるとしても、いざライブハウスや学校などで本番を迎えると、やはりここでも複数のドラマーと一つのドラムセットをシェアすることになるでしょう。
つまり、ドラマーなら経験済みの方も多いでしょうが、ドラムセットを演奏しようとした時に、そのドラムは前に叩いた人がセッティングしているので、ほとんどの場合ドラムの状態が自分がベストパフォーマンスを発揮できるセッティングになっていないということなのです!
②時間が限られている
そしてコレこそがドラマーのスキルの一部として高速セッティングを求められる一番大きな理由ですが、セッティングをする「時間が限られている」ということです。
スタジオに個人練習に行く時、セッティングに30分もかけてしまうとそれだけお金をだして買った練習時間が制限されてしまいます。バンド練習も同じで他の人にとっても買っている時間をセッティングに取られてしまうのは看過しがたいことでしょう。
またライブなどで複数のバンドと出演する場合、たとえ転換時間が10分などと限られていても容赦なく自分の理想のセッティングとはまるで違う状態からスタートせねばならない状況があります!ただでさえ緊張している演奏前、出来るだけ速やかにセッティングは終えてしまいたいところですね!
以上のような理由でできる限り速く、正確にドラムセッティングを完成させるスキルはドラマーにとって重要かつ必須と言えるものなのです🔥
2,高速セッティング実現のための準備
①徹底的に「自分の理想のセッティング」をつきつめよう!
前回のエントリーでも触れたように、体格や演奏スタイルによってセッティングは千差万別です。自分が最大のパフォーマンスを発揮できるセッティングをかなり細かいレベルで決めてしまいましょう!
このセッティングはもちろん徐々に変わっていって良いしそういうものだと思いますが、さしたる理由なくあまりに頻繁に変えることはおすすめしません。まずしっかり自分の体格をベースに最適と思われるセッティングを決め、変える場合は理由を明確にしてそのセッティングをしばらく続けてみるのがおすすめです。
そいうすることにより、自分のセッティングに対して、目の前にあるドラムセットがどういう状態でどこをどういじれば良いのか素早く直感的にわかるようになるでしょう。
最適なセッティングを追求するにはこちらもご覧ください!
②セッティングを感覚的に覚えよう!
セッティングが決まったら色々な方法を使ってセッティングを感覚に落とし込みましょう。
例えばスローン(ドラム椅子)の高さならバスドラムの位置と腰を掛ける深さも含め膝の角度などを目安に決めましょう。
セッティングの基準であるイスとバスドラムの位置関係を基準に覚えていくとはかどります!
③スタンド類の知識を深めておこう!
スタンド類は各メーカーで色々なバリエーションがあり、特にタム周りの調整は、「え、これどうやって調整するの!?」というぐらい見た目も外見も違うものがあり、そのバリエーションも多いです。初見で対処することは難しいので、時間が有る時に調べるか、いろんなドラムセットに触れるために普段と違うドラムセットが置いてあるスタジオに行って研究するのも良いでしょう。わからない場合は手を痛めてはいけないのでスタッフさんに聞きましょう🔥
③セッティングに必要/便利なツール
《1、チューニングキー》
ドラマーが常に持っているべきツール。色々な種類がありますが、大きめで重量があるものは、チューニング時の回転が安定するしパワーも出るのでオススメです。ペダル周りはセッティングそのものにチューニングキーが必要なこともあるので、チューニング自体をする必要がなくても必携です!
私のおすすめのチューニングキーはヘッドのメーカーであるEVANSがだしているもの、少し値ははるもののしっかりした持ちごたえで頼りになる相棒って感じです🔥
https://amzn.to/3I3x9X8
《2、ドラムねじ回し》
経年劣化や、前にセッティングした人が強力にネジを締めている場合、全然ネジが緩まなくて困る時があります。
そんな時、とても役に立つのがドラムネジ回しです。応急処置的にスティックでネジ部を挟みこんで回すこともできますが、スティックが長いので上手く力が伝わらないことがあります。ねじ回しなら軽々と手を痛めることなく回すことができます!
締め付ける時は、スタンドに負荷をかけすぎないようにあまり締めすぎないようにしましょう!
《3、スティック》
セッティング時にスティックを持っていないことは考えにくいですが、音が出せる/出せない、どちらの状況でもスティックを持って最終的な距離感などの確認はするようにしましょう!
3,いよいよ高速セッティングのコツ真骨頂!ドラムセッティングは順番が全て!
セッティングの順番はスピードを上げることにおいて最も大事な要素です!実際に私がやっているセッティングの流れを、より切迫した状況のライブ入れ替えシーンを想定しつつご紹介し、同時に確認する手法なども併せてお伝えして行きます!
①イスの高さを設定する
ドラムセットに近づきつつ目視でイスの高さを確認し、高くするか低くするかを把握しながら近づき、座ってみたら、即イスの高さを調整しましょう!
座った状態から腰を浮かせてスローンを回転させるとすぐに座れるので高さの感覚の把握のスピードが上がるという意味でおすすめです。ただし回転で高さを調整するタイプ以外は危険なのでしっかりイスから降りて調節しましょう。
イスこそ全ての基準なので正確に!!
②スローン、バスドラム、ハイハットの位置関係を調整しよう
このうち最も重量が重く、ライブの場合はマイクが既に設定されていることの多いバスドラムの位置はよほどのことがない限り変えないでおきましょう。相対的にバスドラムから適切な位置にイスを設置、(ペダル持ち込みの場合はここでセッティング!)そして椅子から両足を伸ばし、バスドラムの位置から逆算する感じでハイハットスタンドの位置を決めましょう!
ライブなどではマイクセッティングをなるべく速くスタッフさんにしてもらわないといけないのでチューニングやペダルの微調整はドラムセッティングの後に回しましょう!とにかく位置決め優先🔥
③ハイハットの高さ決め
②の行程の最後でハイハットスタンドに触れているのでそのままハイハットの打点を調整してしまいましょう!位置を決めた後高さが気に入らない場合は先ず速攻でクラッチを解除→高さ調整をし、流れるようにハイハットをオープンのリーチ分を踏んで調整し、再びクラッチを締めましょう。
④スネアの位置→高さ
スローンバスドラハイハットが決まれば自ずと決まってくるのはスネアの位置!おすすめはスネアを抱え込むというか上半身を覆い被せるようにスネアの高さを調整するネジにアプローチする方法です。安全に高さを変更できる上に、前後の位置決めまで同時に調整できます。
⑤フロアタムの位置→高さ
スネアの位置が決まれば相対的にフロアの位置も決まってくるでしょう。必ず位置を先に調整してから三本のスタンドを調整して高さを決めましょう。高さを調整してから動かすと、意外としっくりこないことが多いのです。
————————-ここまでおよそ1分を目指そう!————————
イスに座っての調整は一旦ここまで!速やかに椅子から立ってドラムセットを回り込み、タムのセッティングに向かいましょう!
⑥2タム(ロータム)のセッティング
〈1タム構成の皆さんはここは飛ばして大丈夫です!〉
2タム構成の皆さんはここで必ず2タムから高さ調整をしましょう!
みなさんも実体験として経験済みかもしれませんが、1タムと2タムは打面のインチだけでなく胴の深さも違うことがほとんどです。胴が深いのは2タムなので打面を1タムから調整して高さをバスドラムに干渉しないぎりぎりに設定してしまうと、後に2タムの胴が長すぎて打面の高さが揃わないことがあります。
ですのでタムは必ず2タムの調整を先にしましょう!タムの胴の長さが異様に長いドラムも時々あるので、タムを限界まで低くセッティングしたい場合などは特に重要な考え方です。タムの調整で行ったり来たりするとめちゃくちゃ時間をくってしまうので上記の方法を癖づけましょう!
⑦1タムをセッティング
2タムに高さ、角度を揃えるように1タムをセッティングしよう!
⑧シンバル類のセッティング
シンバルが最後になるのは基準にするタムの高さがドラムセットによって変わることがままあるからです。タムの高さによってはシンバルの高さもそれに併せて適切な位置に調整しなければならない場合があるので、一番外側であり、且つ一番背の高いシンバル類は最後に設定しましょう!
順番や調整の仕方はやりやすい方法で大丈夫です、確認も兼ねることができるという意味でドラム椅子に座りながらの調整もアリですが、大幅に高さや角度、位置が変わる場合は外側に移動してガッツリセッティングする方が速いでしょう。この辺は状況を見て臨機応変に対応しましょう!
⑨椅子に戻って確認&微調整
スティックを使って実際に音は出さずとも寸止めしたりして距離感が適切か確認しましょう!シンバル類は外側から調整した場合特に確認が必要でしょう。
位置関係がオッケーでセッティングは終了です!
(⑩)アシスタントさんにセッティングが終わったことを伝える
ライブの転換時、サウンドチェックの時などはセッティングが決まった後にステージアシスタントの方がマイクをセッティングしてくれます。これ以上動かさないでよくなったことを確認したら、速やかに「ドラムのセッティングOKです」と伝えましょう!また、マイクセッティング後に、どうしても微調整したくなった場合は「ごめんなさいスネアの高さ少し変えても良いですか」などと確認をとりましょう!
チューニングやペダルの微調整、ネジの緩みがないかなどの確認はセッティング終了後にしましょう!
まとめ
今回はスピードに焦点をあててセッティングに関する記事を書いてみました。いかがだったでしょうか!?
ライブなどでのセッティングは恐ろしくバタバタしていたり、マイクセッティングを手ぐすねひいて待っているスタッフさんがいたり、イベントの進行が押していたりとプレッシャーがかかる場面で進めていかなければならないことも多く、そんな状況でも安全、正確、素早くセッティングを完了するために、普段からセッティングの順番を頭に叩き込んでイメトレしておきましょう!
必ず皆さんのドラムパフォーマンスアップにも役立つとお約束します!
それではまた次回!
お問い合わせcontact
経験豊富なスタッフが、皆様の疑問やご要望にお応えいたします。
ミライミュージックスクール事務局
[ 営業時間 ]平日:10:00~21:00/土日祝:10:00~18:00
フォームでのお問い合わせ